固有ベクトルの求め方を学ぼう!

数学

固有ベクトル(固有状態とも言います)は、数学や物理学において非常に重要な役割を果たします。この記事では、固有ベクトルの定義とその求め方について詳しく解説していきます。

固有ベクトルとは?

固有ベクトルとは、行列に作用したときにその方向が変わらないベクトルのことです。具体的には、ある正方行列\( A \)に対して、次の関係を満たすベクトル\( \vec{x} \)のことを指します:

\( A\vec{x} = \lambda \vec{x} \)

ここで、\( \lambda \)は固有値と呼ばれるスカラーです。

固有ベクトルは行列の「内部構造」を理解するための重要なツールです!

固有ベクトルの求め方

固有ベクトルを求めるための手順は以下の通りです:

  1. 固有値を求める。
  2. 固有値を用いて連立方程式を解く。

ステップ1: 固有値を求める

まず、固有値は行列の特性方程式を解くことで求められます。特性方程式は次のようにして定義されます:

\( \text{det}(A – \lambda I) = 0 \)

ここで、\( I \)は単位行列、\( \text{det} \)は行列式を表します。これを解くことによって、固有値\( \lambda \)を得ることができます。

ステップ2: 固有ベクトルを求める

次に、固有値を用いて固有ベクトルを求めます。各固有値について次の連立方程式を解きます:

\( (A – \lambda I)\vec{v} = 0 \)

ここで、解は自由変数を含むため、複数の固有ベクトルが存在する場合があります。

具体例

実際に行列の固有ベクトルを計算してみましょう。次の行列を考えます:

\( A = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ 1 & 2 \end{pmatrix} \)

1. 固有値を求める。

特性方程式は次のようになります:

\( \text{det}(A – \lambda I) = \text{det}\begin{pmatrix} 2 – \lambda & 1 \\ 1 & 2 – \lambda \end{pmatrix} = 0 \)

計算の結果、固有値は\( \lambda_1 = 3 \)、\( \lambda_2 = 1 \)となります。

2. 各固有値に対する固有ベクトルを求める。

固有値\( \lambda_1 = 3 \)のとき、次の方程式を解きます:

\( (A – 3I)\vec{v} = 0 \)

この方程式を解くと、固有ベクトルは次のように得られます:

\( \vec{v_1} = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} \)

同様にして、\( \lambda_2 = 1 \)の場合も計算すると、固有ベクトルは:

\( \vec{v_2} = \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix} \)

グラフで理解する固有ベクトル

まとめ

固有ベクトルは非常に重要な概念であり、行列の特性を理解するための鍵です。自分で計算してみることで、さらに理解が深まりますよ!😉

タイトルとURLをコピーしました